小太刀を両手に構えた瑞風が、巨大な怪物――ロード二世に向かって疾走する。

【 瑞風 】 「やぁっ!」
【 ロード二世 】 「グッ! ダガ、コノ程度デ!」
 

 ロード二世の巨体に対して瑞風が持つ小太刀はあまりに小さく、表面の肉を薄く斬り裂いただけだった。
 しかし――

【 瑞風 】 「風遁、舞影(まいかげ)の術!」
 

 熱風をその身に纏い、瑞風の動きが加速する。

【 ロード二世 】 「グッ、ウグッ!?」
 

 もはや人間の目では視認不能な速度に達した瑞風の刃が、ロード二世の体を微塵に切り刻む。
 分厚い肉がそぎ落とされ、骨が露出する。
 それでも瑞風の動きは止まらなかった。

【 瑞風 】 「はぁぁぁっ!」
【 ロード二世 】 「ガッ、ハッ、馬鹿ナ!? オークノ支配者デアルオレガ、コンナ小娘ニ……!」
【 ロード二世 】 「マッ……マザァアアアアアアッ!!」